喉に大きな孔が!


 そ嚢(そのう)破裂を起こしたオオタカの幼鳥が保護されました。そ嚢は食道の一部が袋状に発達したもので、食べた物を一時的に蓄える役割があります。食事の直後に建物と衝突した可能性が高く、そ嚢の中に入っていた鳥の骨等が皮膚もろとも突き破ってしまったと思われました。
 全身麻酔を施した後、そ嚢に開いた五つの孔をふさぐ外科手術を行いました。
特別仕様の襟巻きです


 手術後、特別な「襟巻き包帯」を作成し、傷口を保護しました。しばらくの間、流動食をチューブで与えていましたが、現在では自力で餌を食べ、飲み込めるまでになりました。
 食事の度に何回も使われる食道やそ嚢の傷では、完全にふさがったことを見届けることが重要です。リハビリを開始するまでには、まだしばらく時間がかかりそうです。
ようやく傷が癒え


 数回にわたる外科手術によって、ようやく喉に開いていた全ての孔が完全にふさがりました。顔や喉の傷跡がまだ痛々しいですが、食欲はとても旺盛です。首の羽毛は手術の際に取り除かれましたが、しばらくすればまた新しく生えてくるでしょう。
住環境を快適に


 少し広い入院室に移り、リハビリを開始しました。長期間の治療中に衰えた筋力を回復させるとともに、栄養状態の改善をはかります。飼育中のストレスを軽減させるため、窓際には針葉樹の枝をいくつも取り付け、床には止り台となる大きな切り株を配置しました。居心地はいかがかな?