瀕死の重傷


 7月に入って早々、国道沿いでシマフクロウが交通事故にあったとの通報がありました。センターに到着したシマフクロウは、左の翼が折れ、右目は眼内出血を起こし、意識も混濁した非常に危険な状態…。すぐに点滴を行い酸素室で状態が安定するのを待ちます。
ひじと手首の骨がバラバラ…


 足環から去年生まれの若鳥であることが判明しました。新天地を求め、親元を離れた矢先の交通事故だったのでしょう。精密検査の結果、上腕骨が肘に近いところで折れ、人でいう手首に近いところの骨も粉砕骨折していることが分かりました。
手術で整復


 状態が少し安定してきたため、骨折の整復手術を行うことになりました。関節に近いところでの骨折は手術が難しく、また頭や体を打っていることが予想されるため、麻酔をかけること自体かなりの危険を伴います。それでもこの若いシマフクロウはなんとか無事に乗り切ってくれました。
ようやく起立できるように


 酸素室で集中治療を続けて4日後…。 なんとか自分の力で立てるようになり点滴を外せるまでに回復しました。まだ開けない右目が痛々しいですが、それでもこちらを見据える目つきには力があります。野生の力を信じ、人とフクロウ、二人三脚での治療が始まりました。