5年越しの夢が現実に


 リハビリ中のシマフクロウがフライングケージの中でペアになり、初めて産卵したのは2009年3月のこと。それから5年余り、多くの卵が途中で割れたり放棄され、孵化には至っていませんでした。
とうとう雛が孵化


 今年も、3月初旬に2つの卵を産みましたが、そのうち一つは途中で確認できなくなり、何らかの理由で割れてしまったと思われました。心配と期待が錯綜する中、4月9日、とうとう雛1羽の姿を確認することができました。
親鳥の役割分担


 生まれたばかりの雛は、フワフワとした真っ白な羽毛で覆われています。一日のうちほとんどは、温かい母親の羽毛に隠れ、寒さを凌いでいます。餌を捕って巣まで運ぶのは父親の役目、運ばれた餌を小さく切って雛に与えるのは母親と、それぞれの役割分担が決まっています。
一人で留守番することも


 一日のうち数回、母親は巣箱内に雛を残し、排泄などのため巣の外に出ます。数分間とはいえ一人で留守番する雛が、凍えてしまわないかと少し心配になりますが、母親はちゃんと戻ってきて雛の世話をしています。順調に育って欲しいと、関係者一同、心から願っています。(執筆:齊藤慶輔)