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下半身不随状態だった保護時 道路脇でうずくまっている鳥が居た、との情報とともに搬入されたのは、私たちの生活になじみ深いトビでした。ピーヒョロロロという美しい鳴き声が特徴的です。体幹部に対して翼がとても大きいため、空を優雅に舞うイメージよりも、間近で見る姿はとても小さく感じられます。(カラスよりも一回り大きいくらい。)背骨と肋骨を複数個所骨折しており、車との衝突事故だと推測されます。背骨にはとても重要な神経があり、それが傷付いてしまったためこのトビは下半身を自分で動かすことができなくなってしまいました。 |
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ハンモックを用いた治療 自分の力で立てない個体は、ハンモックで体を支えながら治療を行います。ハンモックを用いた治療法は今までにも紹介してきましたが、今回はハンモック自体ではなく「ふた」となる部分を紹介します。下半身が動かなくても、翼をばたつかせハンモックから落ちたり、不自然な姿勢が長時間続いてしまうことがあります。それを防ぐために使うのが、じゅうたんなどの下に敷くすべり止めです。。 |
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ハンモックの準備 程よい伸縮性により締め付けが少なく、水に濡れても問題ない丈夫な素材です。噛んで胃内に入ってしまわぬよう注意が必要ですが、とても便利ですよ!写真のように首の周りを切って広げて利用します。 |
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ハンモックの中のトビ 実際に利用するとこのようになります。このままの姿勢で餌も食べれますし、排せつはハンモックの工夫により真下のペットシーツ上に落ちる仕組みになっています。このトビは収容から1か月以上頑張りましたが、この記事を書いていたその日に息を引き取りました。ハンモックでの生活を余儀なくされる野生生物は、これからも来るでしょう。そういった個体のためにこのトビから学んだ経験を活かしていきたいと思っています。そして、それ以上に交通事故をはじめとした、人間の活動と野生生物との軋轢を少しでも減らしていけるよう、様々な対策に積極的に取り組みたいと決意を新たにしました。(文責:野村奈央) |
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