シメが窓ガラスに衝突


 新年度が始まった4月1日の朝のこと、釧路湿原に面した温根内ビジターセンターの窓ガラスに、2羽のシメが衝突し保護されました。1羽は事故後すぐに死亡してしまったとのことですが、もう1羽も元気がなく、脳障害により頭が傾いて起立することも難しい様子でした。ただちに酸素ケージに収容し、投薬と補液を行って安静にすることにしました。
鳥が構造物に衝突してしまう事故のことをバードストライクと言います。衝突の対象は様々で、窓ガラスや車のフロントガラス、飛行機などが多くみられます。また、最近では風力発電のブレードに衝突する事故もみられ問題となっています。建物への衝突は、ガラス面に映り込んだ景色に飛び込んだり、向かい合った二つのガラスの間を通り抜けようとして起こります。
無事に放鳥しました


 このような場合、ガラス面にシールなどを貼ったり、カーテンを閉めることで鳥たちにガラスの存在を気付かせることができます。もしも頻繁に野鳥がぶつかるような窓があるようでしたら、ぜひ試してみてください。
酸素ケージの中で安静に過ごしたシメは、翌日には元気を取り戻し、活発に飛び回れるようになりました。幸い天気も良かったため、センターの敷地から野生復帰させました。箱を開けるとシメは無事に飛び立ち、少し離れた枝にしっかりと留まれることが確認できました。春を迎え、シメもこれから繁殖のシーズンに入ります。再び事故にあうことなく、元気に子育てしてほしいですね! (武良VT)