前回からの続き


今回は血液検査(採血〜前準備)に引き続き、その後の検査の内容について書きたいと思います!
前準備で固まらない処置をした血液を、細いガラス管で吸います。毛細管現象によって、管の中に血液が入ってきます。
血球を分離する


管の片方に栓をし、遠心分離機で回します。
すると、血液内の成分が重さによって3層に分かれます。
重い順に下から、赤血球の赤い層、白血球の小さい白い層、その他軽い成分が入った透明の液(血漿)の層となります。
※写真は回す前です

PCVを測る


分離した後は写真の器具を使って赤い層と全体の比率(PCV、ヘマトクリット)を見ます。これで貧血や脱水の程度がわかります。
他にも、白い層が厚すぎると感染症やどこかの炎症の疑いがあります。さらに透明の層が白く濁っていると脂肪が多く、赤いと赤血球が壊れていることがわかります。
このように、管一本で様々な異常を知ることができ、とても便利な検査なのです!
TPを測る


最後に透明の層から液を一滴出し、写真の器具を使ってタンパク質の量(TP、血漿総タンパク)を見ます。これも数値の増減によって内臓の病気を疑ったり、感染症や炎症などの異常を見つけることができます。
今回紹介した検査は数ある検査の中の一つにすぎませんが、毎回のように行う大切な検査です。
この検査を通して、一羽でも多くの個体の異常に気付いていきたいです!
(執筆:中村鈴夏)