嬉しさと、寂しさと

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保護した鳥(猛禽類)

実に3ヶ月ぶり

  春よ来い!でご紹介したハイタカが、3ヶ月ぶりに野生に帰る日を迎えました。保護された厳冬期とは対照的に、新緑が芽吹き、夏鳥の声がそこかしこで聞こえます。

身も心も野生に

 解き放たれ、晴れて自由の身になった瞬間。この一瞬で、動物たちは野生動物本来の心理状況に立ち返るような気がしてなりません。

再び野生のタカに

一瞬、目前の木立にとまったハイタカ。鋭い眼光を取り戻し、顔つきもいっそう凛々しく見えます。周囲を注意深く観察し、これから自分の向かうべき方向を見定めているようです。

嬉しさと、寂しさと

 ひときわ強い風が吹き付けたのと同時に、タカは力強く羽ばたき、風に乗って湿原の林に向かって飛び立ちました。「よかった。大丈夫だ。」ホッと胸をなで下ろすのと同時に、寂い余韻が私達を優しく包みます。

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