野生復帰の時期
もうすぐ秋・・・みんな頑張ってます
傷病鳥として釧路湿原野生生物保護センターに運び込まれた鳥達の多くは重傷です。治療によって傷が癒えたとしても、入院中に筋肉や野生感が衰え、すぐに野生に戻れないことも珍しくありません。
過酷なリハビリテーションは、時に一年以上に及ぶ事もありますが、野生復帰というゴールを目指して皆頑張っています。 (餌を横取りされないように、他のワシを威嚇するオジロワシ)

放鳥の時期
野生復帰の時期は、鳥の健康状態だけによって決められるものではありません。サケやマスの遡上時期など、自然の餌が豊富な季節を選ぶ事は、野に放たれた鳥が再び野生での生活を取り戻す際の助けとなります。また、自然界のサイクルに則って、野生復帰の時期を選ぶことも重要です。例えば、冬鳥としてロシアから渡来し、日本では繁殖しないオオワシを、夏の北海道で放すわけにはいきません。
(次冬の野生復帰を目指し、仲間が渡ってくるのを待つオオワシ)

身体のサイクルも判断材料
早い段階で病気や怪我から抜け出せたとしても、野生復帰を遅らせなければならない事もあります。例えば、障害の後遺症として羽根が生え替わるサイクルが異常となり、後日飛翔能力に支障を来たす場合があります。
リハビリテーション中に身体の状態や行動をよく観察することがとても重要です。
(周囲に注意を払いながら餌を食べるハヤブサ)

それぞれの野生復帰を目指して
シマフクロウのように絶滅の危機が極めて高い種については、野生復帰は国の保護増殖事業として、綿密な計画に基づいて行われています。単独で暮らしている別性の野生シマフクロウのもとに放鳥したり、飼育下でペアにしてから適切な場所に野生復帰してもらっています。
野生での生活を再び取り戻すため、それぞれの立場で日々トレーニングに励んでいるのです。
(フライングケージ内のミズナラの枝でねぐらをとるシマフクロウ)
