夏に渡ってくる鳥

執筆:東川翔太

保護した鳥(その他の鳥類)

ごっそりと…

一般の方が、数羽のカラスに襲われている鳥を見つけて保護し、野生生物保護センターに連れて来られました。翼を広げたところ、見た目にわかるほど羽がごっそりと抜けていました。ツツドリは日本に夏鳥として渡来し、四国より北で繁殖します。冬は暖かい地方の海外で過ごすため、通常は冬前の渡りの時期までに羽が生えてくれば放鳥が可能になります。

見た目には分からない傷がある

毛に覆われているため見た目には分かりませんでしたが、胸部の筋肉に達する傷がありました。縦に裂傷していたため、3針縫うことになりました。

抜糸後

胸部を縫った日から1週間後、傷が塞がりました。体重や体長等を計測後、リハビリを兼ねて広いケージに移しました。リハビリケージでは翼を羽ばたいて羽毛が伸びてくることを促すため、高い位置に大好物の毛虫を置き、頑張って捕ってもらう訓練をしました。

羽根が少なくても

羽がごっそり抜えているにも関わらず、意外にも華麗に飛翔ができたため放鳥することとなりました。無事に越冬地に渡れることを願います。

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