ウトウの放鳥
経過は良好だけど
前回お伝えしたウトウの雛ですが、足の傷はすっかり治り、野外にある広いプールですいすい泳ぐこともできるようになりました。問題は、放鳥できるような体重まで増えるかどうかだったのですが…

タイムリミットが刻々と…
ウトウの巣立ちは遅くても8月下旬までといわれています。この鳥は、巣立ち雛の体重にかなりばらつきのある種ですが、平均は300gから400g。しかし収容個体は9月半ばで、まだ体重が250g前後…! 海水温がぐんぐん下がっていくこの時期の北海道の海で、これでは生きていけません。

増えた!!
仲間が南下してしまう前に何とか放鳥を…!という我々の気持ちが通じたのか、後半に素晴らしい追い上げを見せて、何とか9月末には体重が310gに!

ついに放鳥!
放鳥は、本来の巣立ち同様暗くなってから行いました。カモメやカラスなどの天敵がいない場所を選び放鳥! 2か月近くケージに収容されていたのにも関わらず、荒い波をものともせずぐんぐん沖に泳いでいきました。小さくなっていく黒い頭を見送りながら、無事に成長して外洋を飛翔するウトウの姿を思い浮かべました。
