海鳥が続々と…
袋の中身は?
今年は海鳥の収容が後を絶ちません。先日お伝えしたコアホウドリを皮切りに、その後も続々と海鳥の収容がありました。8月の半ばには、珍しい海鳥がビニール袋に入れられて、センターにやってきました。黒く丸い小さな背中、短い嘴(くちばし)と白いお腹、嘴の基部にささやかな突起…さて誰でしょう?

正体はウトウの幼鳥
成鳥とは随分見た目が違うため、はじめは私たちも首をひねったのですが、嘴の突起が決め手となり、ウトウの幼鳥とわかりました。海岸でカラスに襲われていたところを発見され保護されました。一般状態は悪くありませんでしたが、よく見ると右脚の付け根につつかれた跡と思われる穿孔があったため、洗浄したのちに縫合を行いました。

体重を増やさなきゃ!
ウトウの巣立ちは、海鳥の例にもれずかなり早い段階で行われますが、センターに運ばれた個体は目立って小さいように思われました。巣立ち雛であれば傷が治れば放鳥できますが、巣立ち前となると放鳥しても生きていけません。詳しい方にお聞きした結果、通常の巣立ち雛の半分の体重であることがわかりました。何らかの原因で巣立ち前に巣穴を出てしまったようです。もう少し体重を増やしてから放鳥する必要があります。

放鳥に向けて
雛の成長は目覚ましく、日に日に顔つきがキリリとして警戒心も増してきました。センターでは海鳥用の餌は常備していないため、ワシに用いているニジマスとホッケを与えています。日に一度は水に浮かべ、羽繕いをさせて浮力を維持しています。現在の体重は270g。目標は400gなのですが…急がなければ仲間が南へ旅立ってしまいます。放鳥に向けて引き続き給餌を続けます。
