ネズミ捕りとハクセキレイ

執筆: 

保護した鳥(その他の鳥類)

ネズミ捕りとハクセキレイ

 釧路湿原はエゾアカガエルの声に沸き、ようやく春めいてきました。
 少し前のことですが、センターの周りでもよく見かける、ハクセキレイが一羽運ばれてきました。粘着性のネズミ捕りに捕まっていたとのこと。粘着剤を鳥から剥がすのは大変そうですが。。。成功の秘訣があります。それは小麦粉やカタクリ粉を使うこと。これらを粘着剤に振りかけながら少しずつ剥がすと、羽毛を抜くことなく鳥をワナから外すことができるのです。

しっかり、でも擦らないように洗います。

発見した方がネズミ捕りの製造会社に問い合わせたところ、油を使うようにと説明を受けたとのことで、ハクセキレイは全身油まみれになっていました。実は。。。油は鳥の羽毛に染みこんで体温を奪ったり、口から摂取することで消化器系に負担をかけてしまうことがあるのです。今回、まず身体に付着した油を洗い流す必要がありましたので、食器用の洗剤を用いて、擦らないように注意しながら鳥を洗浄しました。

洗った後は保温が大事

羽毛に洗剤が残らないように念入りにすすいだ後、タオルで軽く水を拭いて哺育器の中に収容。洗った直後は羽毛が芯まで濡れているので、時間をかけて暖めながら全身を乾かします。

ようやく鳥らしくなりました

まだちょっと頭部が濡れていますが、だいぶ乾いてきました。
今は繁殖のための大事な時期。できるだけ早く自然界に戻れるように手を施したいと思っています。

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