シマフクロウバンディング

執筆: 

フィールドワーク・野外調査

巣立ち

少し前のことですが、今年生まれのシマフクロウの巣立ちのシーズンに合わせて、環境省による雛のバンディング(標識調査)が行われました。猛禽類医学研究所からは獣医師が健康チェック担当として参加してきました。

健康チェック

捕まえてきた雛の体重、心臓の音や呼吸器系の音を確認する聴診、体温測定、血液採取などを行い、雛の健康状態を確認します。また、採取した血液からDNAを取り出し、雄雌の判定も行います。

カラーリング

このバンディングでもう一つ重要なことは、固有の番号が小さく刻印された金属足環に加えて、カラーリングをつけることです。シマフクロウは野外ではっきりとその姿や金属リングを見ることが難しいため、遠方からの観察でもある程度の個体識別ができるようにするためです。このリングは色と文字の組み合わせで、それをつけているシマフクロウが何年にどの地域で生まれたものかを判断することが出来ます。

元気に大きくなりますように

このバンディング事業は環境省によるシマフクロウ保護増殖事業の一環で、保護に関わっている人たちが長年続けてきているものです。いろんな専門家がこの事業に参加していますが、シマフクロウが一羽でも多く、元気に育つこと、それが全員の願いです。

記事一覧へ