モンゴルで調査
絵のような大空!
2011年夏、今回三度目となるモンゴルを訪れました。変わらない360度の大きな青い空を見上げると、また来ることができた嬉しさに心がくすぐられます。OIE(国際獣医事務局)によって行われる鳥インフルエンザの調査のため、今年も西の湖を目指して走り出しました。

道があるようでないような?
首都のウランバートル郊外の道路は年々整備が進んでいますが、時々大きな穴が開いていたり、段差が出来ていたりと運転には注意が必要です。そして私達が目指すべき湖は、数家族の遊牧民が暮らしているものの、大きな村からは外れるため、当然、道があってないようなところを通らねばなりません。それにしても地名や行き先を示す標識など何も無いのに、どうして辿りつけるのか未だに不思議でなりません…。

今日はこの辺で
時折オーバーヒート気味になる車を休ませながら、ひたすら移動します。日が沈みだす頃になれば、いつもの通り、自分の好きな場所に陣取って夜を重ね、目的地を目指します。周りに何もない大草原!は気持ちも清々しくなりますが、トイレに行きたい時はちょっと困るんですよね…

晴天を誉めるには日没を待て
毎日、異なる顔の夕焼けを見る度、「晴天を誉めるには日没を待て」(ものごとは終わってみるまで解らないものだから、最後まで油断してはならない)という格言を思い浮かべていました。夜を迎えるまでのほんのわずかな時間しか見ることの出来ない景色だからなのか、不思議と感傷的な気持ちになります。でも暑さが苦手な私は、そんな時もついつい「明日はあまり暑くなりませんように」と邪推な願いも込めてしまうのです。

ナーダムの競馬
今回の訪問は、モンゴル最大の祭りであるナーダムの開催時期と重なっていました。競馬、モンゴル相撲、弓射の競技会が各地で開かれ、一度は見物したいと思っていたのですが…幸いなことに移動中のある村で競馬のゴールシーンに立ち会いました。子供達が皆、馬を自在に操り、全力疾走で駆け抜けていく様は圧巻でした。馬と共に生きる民族ならではの芸当です。

木陰恋し日差し
湖に到着し、調査を開始したものの…日を遮るものが全くありません。直射日光下に温度計を置いてみると、なんと45℃!? さすがにこんな日は現地の人達も暑がっていました。アルタイ山脈の近隣だったので、阻まれた雲達が雷雲となることも多く、快晴から一転、強風と雨に見舞われることもありました。

オオハクチョウとの遊覧?
今回はエンジン付きのゴムボートを用意しました! この時期、オオハクチョウは冬の渡りの前に、翼の羽を新しいものに衣替え(換羽)します。こうした換羽中のハクチョウは飛ぶことができないため、ボートがあれば速やかに捕獲することが出来ます。 足環や発信機を装着し、サンプルを採取した後に、再び元の場所に戻します。

絶滅の危機に瀕した野生馬
調査も無事に終盤を迎え、ウランバートルに戻る途中でホスタイ国立公園に泊まりました。ここで保護されているモウコノウマは現存する唯一の野生馬と言われています。野生では一度、絶滅してしまったものの、動物園で飼育されていた個体を増殖し、国立公園に放されました。広大な公園のため、見ることがなかなか難しく、朝・夕に水を飲みにくる時がチャンスです。優しい顔つきの美しい馬です。
