マイナス気温の世界

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フィールドワーク・野外調査

白い森の中で

希少猛禽類の調査は季節を問わず、行なわれています。新たな目撃情報や過去のデータを元に現在の生息状況を調べ、彼らの生活環境の健全性を確かめることが目的です。雪が降った後には様々な足跡や羽跡が残され、そこに暮らす野生動物達の躍動を間接的に感じ取ることができます。

マイナス気温の世界

極寒のこの季節、歩いている間は気にならなくても、少し立ち止まっただけで身を切るような寒さが・・・この日も気温-15℃でした。野生動物の生活をより詳しく知るために、自動撮影装置を用いることもあります。地主さんの了解や保護区内に設置するための許可を得て、自然に溶け込む迷彩柄のカメラを設置しました。

うまく撮れますように

今回は、過去にシマフクロウの交通事故が発生した現場の近くで調査を行いました。現在の生息状況を詳しく調べ、同様の事故を防ぐために、得られた情報を生かしたいと思っています。北海道では、多くの河川が厳冬期に結氷します。魚など餌資源が豊富であることに加え、湧水などの影響で冬でも凍らない河川が存在していることが、シマフクロウの冬の生活には欠かせません。

請うご期待!?

カメラの角度や熱感知センサーが反応する範囲を細かく調整して設置。数日後に回収する予定です。さて狙い通りに撮影に成功するかどうか…。こちらはセンターのフライングケージ内で、リハビリ中のシマフクロウを自動撮影したものです。捉えた魚を掴んで飛び去る一瞬が、見事に切り取られています。野外でもこのような写真が撮れるといいのですが…請うご期待ください。(報告者:渡辺有希子)

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