オオセグロカモメの羽標本

執筆:田中瑛理香

当番日記

断翼をしたオオセグロカモメ

当研究所では、希少猛禽類以外の一般種の鳥も運ばれてきます。
写真の鳥は、一般の方が保護してくれたオオセグロカモメです。
残念ながら、左の翼を断翼する事になりましたが、今では元気に水浴びを楽しむ姿が見られています。
今回は、このオオセグロカモメの断翼した左の翼を利用して羽標本を作成したのでご紹介します。

羽を洗う

初めに、断翼した翼の羽を抜いて一本一本丁寧に洗いました。
食器用洗剤を使い、羽の繊維を壊さないように羽軸に沿って優しく洗っていきます。
羽に付着した汚れを落としてからキッチンペーパーの上に置き、そのまま自然乾燥させました。

羽を並べていく作業

羽がしっかり乾いたら、翼に生えていた順番でA3用紙の上に並べます。
順番を間違えないように、一本ずつ長さを確認し、全体のバランスを考えながら配置しました。
用紙の色を青にした事で、羽の白い部分もよく分かります。
配置を決めたところで、セロハンテープで羽軸を留めました。

額に入れて完成

額に収めて、羽標本の完成です!
オオセグロカモメの、白と黒のコントラストが美しいですね。
この羽標本は、今後イベントの際に展示として活用していきます。
当研究所にいる終生飼育個体の鳥が、こんなに綺麗な羽を持っていたことを、皆さんにお伝えできればなと思います。
見かけた際は、ぜひじっくりと観察してみてくださいね!

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