オオハクチョウの診察

執筆:佐藤潤一

当番日記

捕獲

診察をするためにはまず、個体を入院小屋から出すために捕獲しなくてはなりません。
オオハクチョウは体が大きいため、とても力が強いです。
特に、渡り鳥で長距離を飛行するため、翼の力が強く、叩かれると骨折をしてしまう恐れがあります。
そのため、安全を期して二人がかりで捕まえました。

診察

診察台に乗せ、いよいよ診察です。
採血や体重測定を行い、痩せていないか、脱水していないか、入院小屋の中で怪我をしていないかなどを獣医師が細かくチェックします。
その個体の「異常」に気付くためには、「正常」を知っていなくてはならないので、日頃から個体をよく観察しておく必要があります。

フードをかぶせる

診察をする際は出来るだけ個体にストレスを与えないようにフードをかぶせます。 鳥は暗いところでは安心するので、目隠しをすると大人しくなります。
こうすることで診察個体のケガの防止や、我々スタッフの安全にもつながります。

診察終了

無事に診察が終了し、入院小屋に戻ってほっと一息。
このオオハクチョウは野生に返すことが困難な終生飼育個体です。
譲渡先が決まるまで安心して暮らせるように、清潔な飼育環境や個体の体調に気を配っていきたいです。

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