片翼のシマフクロウのお引越し

執筆:田中瑛理香

当番日記

左の翼を失ったシマフクロウ

野生動物にとって、室内はとても狭く、逃げ場もないためとてもストレスのかかる場所です。
今回は、去年の8月末に交通事故で収容され、断翼手術を行ったシマフクロウのケージのお引越しを行いました。
いつも入院部屋の隅で、人との距離の近さに怯えていたシマフクロウ…。
断翼した翼の様子も大分良くなってきたため、外のケージに移動します。

大きな広いケージに移動

一度健康診断を行ってから、外にある大きなケージに移動しました。
赤い丸のところにシマフクロウがちょこんと座っています。
顔も体もこわばってしまい、まったく動きません。
狭い室内から出たとはいえ、慣れない場所に大分緊張しているようです

掛け木の設置

片翼のシマフクロウは飛ぶことが出来ない為、普通の止まり木には止まることが出来ません。
その為、元々あった猛禽用の大きな止まり木に掛け木を設置してみました。
掛け木を伝って、止まり木に登ってくれると嬉しいです。
その他にも、シマフクロウが使いやすそうな低めの止まり木なども設置しました。

3日後…

しばらくは緊張の為、地面から動く気配のなかったシマフクロウ…。
あれから三日後、止まり木の上にいる姿を発見しました!
この日は前日に雪が降り、地面が埋もれてしまったので寒くないかと心配だったのですが、無事止まり木を使用してくれたので安心しました。
次は掛け木も利用してほしいなぁとソワソワしてしまいます。

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