ウトウの収容
一般の方から通報
とある午前中、一般の方から「エトピリカを保護した」と連絡がありました。
エトピリカは国内希少種で日本ではほとんど見られないため、生体の収容はとても珍しく、スタッフも「生きたエトピリカを間近で見れる!」とちょっと興奮して現場に向かいました。
※写真は過去に収容したエトピリカ幼鳥です。

現場に到着したところ…
獣医師が現場に到着すると、エトピリカの幼鳥に確かに似ていますが…収容された個体はウトウの成鳥でした。
ウトウはくちばしに角状の突起があるのが特徴で、道内や東北の離島で繁殖しており、沖に出ていることが多く陸地ではあまり見かける鳥ではありませんが、北海道では珍しくない海鳥です。
港の防鳥網に引っかかっていたところを保護されました。
処置を施すため、そのままセンターに向かいます。

センター到着
診察・触診の結果、右目がつぶれていましたが、今回の事故以前にできたもののようで、それ以外は特に異常はありませんでした。
まずは、個体が少し汚れている様子なので体を洗います。
その後、プールに生きた魚を入れてウトウを浮かべてみると、一度潜水して魚を追いかける様子も見られました。
骨折や目立った衰弱も見られなかったため、翌日、海に放すことになりました。

放鳥
翌日、金属ケージの中で魚を与えたところ元気に食べてくれました。
この様子を見て、ひと安心。夕方に浜辺へ向かい、ウトウを放鳥しました。
何度か潜水を繰り返しながら沖の方へ向かっていきました。
もう人間の世話にならないよう、元気に生活してくれることを祈るばかりです。
