ちびのくちばし研ぎ

執筆:堤百合香

当番日記

伸びたくちばし

シマフクロウのちびは、最近、餌の活魚をそそくさと捕まえても、なんだか食べにくそうです。障害を抱えている個体なので、食べる事が少し下手だから?と思っていましたが、どうもくちばしが伸びている様子。
野生では獲物を捕ったり、食べたり、生活の中でくちばしは削れていくのですが、小屋で飼育されているちびはくちばしが削れる機会が少なく、すぐに伸びてしまいます。

くちばしを削ろう!

そこで、獣医がくちばしを削ることになりました。使うのは、グラインダーという研磨機です。
ヘッドの部分に砥石が付いていて、これが高速で回転することでくちばしを削ることができます。

大人しくできるかな?

いざ、くちばし研ぎ開始です。ちびは何か嫌な予感がしたのか、中々渡辺獣医の腕に乗りません。
どうにか、ちびをなだめて捕獲し、くちばしを研いでいきます。研いでいる最中もピーピーと鳴いて「いやだ!」アピールを続けます。
頑張れちび!もう少しの辛抱だ!

キレイになったね。

ちびが頑張ったおかげで、くちばしも元通りです。これで魚も上手に食べられます。
個体の為にやっている事でも、動物からすると「嫌な事」でしかないのは少し悲しいですが、出来るだけ短い時間で処置を施し、動物への負担を少なくすることが大事だと感じました。
この後、渡辺獣医はちびと仲直りするために、ちびを腕に乗せてセンターをお散歩しました。ちびの機嫌が直ると良いです。

記事一覧へ