トビの放鳥

執筆:小笠原浩平

保護した鳥(猛禽類)

骨折のトビ

風が強く吹いた翌日、右の橈尺骨を骨折したトビが保護されました。明らかに元気が無く、今にも死んでしまいそうでした。また、レントゲン検査で骨折した部位に散弾が見つかり、被弾していたことが分かりました。野生動物と人の軋轢を目の当たりにした瞬間でした。

手術終了

緊急手術で骨折した腕をつなぎ、散弾も摘出しました。このまま順調に回復してくれることを祈るばかりです。

※腰部にある散弾は尾羽に付着していたもの

順調に回復

しかし今にも死にそうだったトビは、手術後みるみる元気になっていき、2日後には集中治療室から入院室に移動、一か月後には徐々に野生復帰に向けたリハビリを開始できました(写真奥のトビ)。

ついに野生復帰!

保護されてから約3か月が経ちました。リハビリも順調に進み、力強く飛ぶことができるようになりました。いよいよ自然に返せる時の嬉しさは、希少種も普通種も変わりありません。またセンターに保護されるのではという不安な気持ちも、その力強い飛び方で吹き飛ばしてくれました。

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