交通事故のシマフクロウ
深夜の収容
七月中旬のある日の夜、道端にシマフクロウが倒れているとの連絡を受け、関係者の協力によって深夜センターへと収容されました。そのシマフクロウは車と衝突したと思われ、右翼の骨は砕け、皮膚もずたずたに裂けていました。体にはハエの卵が産みつけられており、事故に遭ってから一日程度経過していると推測されました。

苦渋の選択
右翼の怪我はあまりにひどく、骨折だけでなく神経や筋肉の損傷も激しかったため断翼する判断を下しました。断翼手術を行えば、野生復帰は出来なくなりますが、飼育下繁殖などでシマフクロウという種の存続に力を貸して貰いたいと思っていました。

事故防止に向けて
私共も力を尽くし、シマフクロウも力を振り絞ってくれはしましたが、収容から4日目に息を引き取りました。目から光が無くなる瞬間をしっかりと見守りました。後日、事故が発生した現場へ視察に行きました。事故の原因を調査し、二度目の悲劇を招かぬよう対策を練ります。今回の場所では対策の工事が行われることが決定しました。
