リハビリ進行中

執筆:

保護した鳥(猛禽類)

広いケージの中でウロウロ

 釧路管内で交通事故に遭い、入院治療を受けていたシマフクロウの幼鳥(車にはねられ頭を強打)を、10月下旬にリハビリテーション用のフライングケージに移動させました。広い空間に放された幼鳥は、餌の魚が泳ぐ給餌池の上を低く飛んだ後、しばらく落ち着かない様子でケージ内をウロウロ。ようやく大きなミズナラの枝に、落ち着ける場所を見いだしました。

居場所を見つけ、落ち着きました

 狭い入院室とは違い、風が吹き抜けると足下の枝が揺れ、木の葉がザワザワと騒ぎます。しばらくすると、少し気持ちに余裕が出てきたのか、しきりに辺りの様子を伺うようになりました。森での生活を思い出したのでしょうか? ほんの短い時間のちに、野生の眼差しを取り戻したように見えるのは・・・気のせいでしょうか?

ちょっぴり大人っぽいでしょ?

 それから約一ヶ月・・・ケージ内の木々は、緑から茶色へと衣替えをしました。幼鳥は、幸い事故による後遺症もなく、野生で生き抜いて行くためのリハビリを続けています。ようやく自ら池に飛び込み、まだ失敗が多いものの生きた魚を捕らえることが出来るようになりました。今日はケージで一番高い枝で、一人前に警戒の顔つき(短い耳羽がちょっぴり立ってます)です。

まるで保護者の気分・・・

 飛翔や枝移りも少し上達しました。大きく翼を広げ、軽快にジャンプ! 本格的な冬が来る前に、魚をたくさん食べて身体に脂肪を蓄えなくてはなりません。体調管理に役立つのは、水面から突き出したT字型の特殊な体重計。餌を狙うために降り立つと、体重が自動的に研究室内に記録される仕組みになっています。そっと見守る私達は、まるで保護者の気分です。

記事一覧へ