野生を目指す

執筆:

保護した鳥(猛禽類)

厳冬期を目前に最終訓練

 野生生物保護センター最大のフライングケージの中で、この冬の野生復帰に向けて、2羽のオジロワシが最終段階のリハビリに励んでいます。今年4月に感電事故に遭い入院生活を送ってきた成鳥(全身大やけど)と、8月に巣立ちに失敗して保護された幼鳥(顔つきも凛々しく)です。

大やけどを克服

 上クチバシの一部と4本の指を失いながらも、全身に負った大やけどを克服したオジロワシの成鳥。力強く羽ばたく姿は、生命の逞しさを感じさせます。左右2本ずつ残った足爪を駆使し、生きた魚も生け簀から自分で捕獲することが出来るようになりました。

凛々しくなって野生を目指す

 巣立ちに失敗して保護された幼鳥も見違えるほど大人びてきました。先に収容されていた成鳥と同居しながら、一緒にリハビリを続けることができたお陰で、オジロワシの本質を忘れることなく成長することが出来ました。

風を捉える姿にも余裕が

 大きく翼を広げ、風に乗ってダイナミックに滑空する姿はすでに野生の猛禽類。初めて迎える北海道の冬を乗り切るため、毎日厳しい採餌訓練を重ねています。「嬉しい別れ」の季節はもうすぐそこまで来ています。

記事一覧へ