車にはねられ頭を強打
犬が見つけたシマフクロウ
9月下旬、釧路管内でシマフクロウの幼鳥が保護されました。国道脇の草むらで動けないでいるところを、犬と散歩していた一般の方が発見されたとのこと。犬がしきりに吠えるため、その方向に目をやったところ、大きなフクロウが倒れていたそうで、地元の皆様の連係プレーによって速やかにセンターに運んでいただけました。

車にはねられ頭を強打
グッタリしてはいないものの、飛ぶことは出来ず、しばらく経ってもボーっとした状態が続いています。精密検査を行ったところ交通事故によって頭を強打した可能性が高いことがわかりました。また、幸い翼や足の骨折は無いものの、内蔵を痛めている可能性もあるため、輸液と酸素療法を行いながら安静にさせ、様子を見ることにしました。

事故現場に散らばる羽毛
傷ついた動物の治療や野生復帰はもちろん大切ですが、同じような事故を少なくとも同じ場所で発生させない事がとても重要です。解決に繋がる手がかりを求め、すぐに事故現場に足を運んで検証を行いました。橋の近くで事故は起きており、シマフクロウは川に沿って移動中に車と衝突したと思われました。現場に散乱した羽根が、事故を生々しく物語っておりました。

ようやく自ら餌捕り
入院中のシマフクロウの状態は、日に日に良くなって行ったものの、人が差し出す魚しか食べようとしません。脳への後遺症も心配されましたが、小さな生け簀にマスを泳がせて採餌を促してみたところ、数日後にようやく自ら魚を狙う行動が確認されました。フライングケージで本格的なリハビリを開始できるようになるまでには、まだしばらく時間がかかりそうです。
