野生復帰

Return to the wild

居るべき世界に帰る

リハビリを終え、野生動物として自活できる状態に戻った個体は自然界に帰します。
放鳥する場所は、餌資源や塒(ねぐら)等となる場所が豊富な環境を選択しています。ある地域に定着して繁殖している可能性がある個体などについては保護された場所から遠く離れないよう配慮もしますが、発見される場所の多くは事故発生地点であるため、日頃の調査に基づいて安全な放鳥場所を検討します。
場所の他、個体の健康状態、種の生態特性(渡りなど)を踏まえて野生復帰させるタイミングも適切なものになるよう注意します。

放鳥前の健康診断を受けた個体はキャリーケージ内で安静にさせたのちに放鳥地まで搬送します。すぐにケージから飛び出してあっという間に飛び去って行く個体もいれば、しばらくケージから出るのをためらったり、飛び立った後に上空を旋回して帰っていく個体もいます。

野生復帰をさせるワシには標識を付けて追跡調査を行います。 放鳥したワシが野生でしっかり生きていけているかを確認しています。また、生態の解明や保護に役立つデータ収集も行っています。

必要に応じて補助給餌を行う事や、再び保護する事もあります。 これまでの追跡調査により、同じ場所に毎年戻ってくるオオワシやオジロワシがいるという事がわかっています。 さらに、繁殖をするオジロワシも確認しています。