風に乗って滑空

執筆:

保護した鳥(猛禽類)

人を恐れる気力も無し

 3月始め、北見市の鳥獣保護員さんから受け取ったダンボール箱の中には、オジロワシの成鳥が一羽入れられていました。健康なワシの場合、人間の気配を察すると暴れたり威嚇したりするはずなのですが、よっぽど具合が悪いらしくこちらを振り向こうともしません。

入院後も腹這いのまま

 検査の結果、急性の細菌性腸炎と診断されました。入院ケージの中で腐った中型哺乳類の肉を吐き出した事から、これが原因となっていると思われました。補液や抗生物質を投与しながら、体調の回復を試みることにしましたが、ワシは数日間腹這いの状態から起き上がる事すら出来ませんでした。

リハビリケージで仲間と再会

 数日間の治療を経て、オジロワシはようやく立ち上がり、自力で採餌できるまでに回復しました。狭い入院室の中での生活では、飛ぶための筋力が徐々に衰えてしまう事から、中型フライングケージ内で仲間と同居しながらリハビリを開始することになりました。ケージ内に放したオジロワシは低空飛行しか出来ず、まだ身体的に本調子には至っていない事が伺い知れました。

少しずつ羽ばたく力を取り戻し

 フライングケージに入れられたオジロワシは、様々な場所に配置された特殊な止まり木を飛び移りながら、徐々に翼の力を取り戻しました。
幅数メートルの狭い空間でもこの通り、力強くはばたきながら巧みに方向転換もできるようになりました。そろそろこのケージも卒業です。

ようやくリハビリの最終ステージへ

 ついにリハビリの最終ステージとなる、奥行き40mの大型フライングケージに放されました。大雪が降った後だけに、ケージの中には雪が50㎝近くも積もり、すでに自然界に戻ったかのような錯覚を覚えているかもしれません。
放鳥後の厳しい野生生活に耐えられるように、自然界で得られる餌のみを最低量与えられ、同居する別の個体と競争しながら本能を研ぎ澄まします。

ようやくリハビリの最終ステージへ

 ついにリハビリの最終ステージとなる、奥行き40mの大型フライングケージに放されました。大雪が降った後だけに、ケージの中には雪が50㎝近くも積もり、すでに自然界に戻ったかのような錯覚を覚えているかもしれません。
放鳥後の厳しい野生生活に耐えられるように、自然界で得られる餌のみを最低量与えられ、同居する別の個体と競争しながら本能を研ぎ澄まします。

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