卓越した飛翔能力を!
氷漬けのコミミズク
カラスに攻撃されているコミミズクを、一般市民の方が保護し野生生物保護センターに届けてくださいました。何らかの原因で雪の上に落ち、長時間うずくまっていたところをカラスに襲われたらしく、大きな氷の塊が腹部に付着していました。

意識もうろう、凍死寸前
身体はとても冷たく、凍死寸前。意識ももうろうとして焦点が定まりません。すぐに全身をドライヤーで乾かし、暖かいICU(保育器)の中で酸素供給や点滴を行いながら診察や検査を開始しました。

ようやくコミミズクらしい反応が
カラスによる攻撃で負った翼の傷は、幸い大したことありませんでしたが、右足の裏と指に重度の凍傷を負っていました。残念ながら足指を何本か失う可能性が高いのですが、何とか命だけは取り留める事ができました。
数日後、ようやくこの種本来の機敏な反応を取り戻し、徐々に食欲も出てきたことから、コミミズクをICUから入院ケージに移しました。

卓越した飛翔能力を取り戻せ!
最初は地面や低い止り台の上を歩き回っていましたが、ようやく一段高い枝まで飛び上がれるようになりました。本来、コミミズクは飛翔能力に長け、狭い空間でホバリングや急旋回を行うことができます。室内のカメラで観察を行いながら、卓越した飛翔力を取り戻す訓練が始まります。足に負った凍傷の後遺症次第では、野生に戻れないかも知れませんが、コミミズクらしい余生を送ってもらうために、能力の回復に全力を尽くします。
