前を見据えて

執筆:

保護した鳥(猛禽類)

翼を引きずりながら・・・

 12月始め、浜中町内の山林で飛べないオジロワシの成鳥が保護されました。発見したハンターから通報を受け、収容した役場の方によると、タモ網でたやすく捕まえる事ができたとのこと。現場と釧路湿原野生生物保護センターのほぼ中間に位置する受け渡し場所に到着すると、すっかり干からびた自分の右翼を踏みつけ、モウロウとしてダンボール内にたたずむオジロワシが待っていました。

命は取り留めたものの

 すぐに補液などの応急処置を行い、センターに運んで精密検査を行った結果、右翼の傷はすでに古いものでした。折れた骨が傷口から飛び出し、周辺の筋肉とともに乾燥していました。食べ物を全く口にできず、何日も雪深い山林をさまよっていたらしく、胸の筋肉はげっそりとそげ落ち、ひどい脱水状態に陥っていました。折れた翼の骨と接触していた右膝も、皮膚が割けて深い傷となっていました。

命は取り留めたものの

 すぐに補液などの応急処置を行い、センターに運んで精密検査を行った結果、右翼の傷はすでに古いものでした。折れた骨が傷口から飛び出し、周辺の筋肉とともに乾燥していました。食べ物を全く口にできず、何日も雪深い山林をさまよっていたらしく、胸の筋肉はげっそりとそげ落ち、ひどい脱水状態に陥っていました。折れた翼の骨と接触していた右膝も、皮膚が割けて深い傷となっていました。

前を見据えて

 残念ながらこのオジロワシは二度と野生に帰る事が出来ません。怪我の状態や負傷部位から、このワシは保護された場所の近くで車などと衝突した可能性が高いと思われます。現場を検証し、再発の防止につなげなければなりません。このワシを引き続き大切に飼育し、将来飼育下で繁殖を試みて代わりに子供を野生に返したり、傷ついた仲間を助ける供血ワシとして活躍してもらいたいと思っています。

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