命の現場は休みなし

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保護した鳥(猛禽類)

ゴールデンウイーク?

巷ではゴールデンウイークらしいのですが、入院中の猛禽類の世話や治療は年中無休。
オジロワシなどの大型猛禽類では、手術後の消毒や抜糸を行う際にも、軽いガス麻酔をかけることがよくあります。治療を行う獣医師の安全性や、治療受ける鳥たちのストレス軽減には欠かせない技術です。傷口の手当はもちろんのこと、麻酔の管理や呼吸、心電図、血中ガスなどのモニターには、特別な知識と経験が必要とされ、複数の獣医師によるチームワークが欠かせません。

命の現場は休みなし

比較的病状が安定した入院患者に対しては、フードやジャケットを用いて安静にさせ、処置を行います。動物が動かないように、安全に保持する方法を「保定」と言います。野生動物を取り扱う上で、可能な限り患者に不安を与えない保定方法を習得するためには、数多くの経験を積む必要があります。命の現場には休みはありません。しかしながら、治療の助けを得て、徐々に回復してゆく彼らの姿を見ることが、携わった獣医師に大きな喜びと新たな力を与えてくれているのです。

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