一般傷病鳥の収容と放鳥
収容時の様子
夏季は希少種もさることながら、様々な普通種の収容がありました。まず、衝突が疑われるオオコノハズクが運ばれてきました。収容当時は、頭を強く打ったためか体のバランスを保つことができず、ひっくり返ってしまっていました。幸い骨折などがなかったものの、脳に障害が残るかどうかが課題でした。

放鳥までのリハビリ
自分で餌を食べられるようになるまで一か月ほどかかりました。しかしきちんと飛べるようにならなければ、自然に帰すことができません。飛べなくては餌も取れず、すぐにキツネなどに食べられてしまうからです。オオコノハズクも他のフクロウと同じく夜行性で、夜中にどう活動しているかずっと観察することは難しいです。そこで特別なセンサーカメラを使い飛んでいる姿を撮影しました。ビデオ録画も何度も行い、飛翔能力が確認できたため7月下旬に無事放鳥することができました。収容から放鳥まで3か月のリハビリを要しました。

ハクセキレイのヒナの保護
ハエ取りテープに絡まってしまったと運ばれてきたのは、ハクセキレイのヒナでした。羽毛に粘着物質がへばりついてしまい、除去にとても労力がかかりました。洗剤で洗っても落ちない場合のほうが多く、羽毛を濡らすと体温が下がってしまい薬品による負担もあるので使いません。小麦粉をまぶし丁寧に擦って取り除きました。抜けてしまった羽が生えそろったので放鳥することができました。

水鳥の保護
美しい水鳥も収容されました。飾り羽をはためかせて登場したのはチュウサギです。白いサギをまとめてシロサギといいますが、大きいものをダイサギ、中くらいのものをチュウサギ、小さいものをコサギと呼びます。脚や嘴の色でも区別することができます。切り身の魚を全く食べてくれず、生きた小魚を調達するのにとても苦労しました。特設飼育部屋は気に入ってくれたようで、衰弱して収容されてから2週間ほどで回復し放鳥しました。
