巣立ち雛シーズン

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保護した鳥(その他の鳥類)

誤認救護

道東もだんだん夏らしくなり、野鳥が巣立つ季節がやってきました。この時期に多いのが巣立ち雛の保護です。野鳥は巣から出てすぐに独り立ちするのではなく、巣の近くで親に餌をもらいながら飛ぶ練習をします。この時期の雛のことを巣立ち雛と呼びます。もともとあまり飛べない巣立ち雛が地面に降り立って鳴いていると弱っているように見えてしまうため、保護されることが良くあります。これが誤認救護を呼ばれるものです。

猛禽類医学研究所にも・・・

先日、猛禽類医学研究所にハシブトガラの巣立ち雛が保護されてきました。元気もよく、怪我も見当たらなかったので、翌日早朝に保護した場所で放鳥することにしました。

放鳥

巣立ち雛が保護された場合、どれだけ早く親鳥のもとに帰せるかが重要になります。放鳥当日、本当に親鳥が雛を見つけてくれるのか、内心どきどきしながら保護された公園へ雛を連れて行きました。

親鳥との再会

ハシブトガラが鳴いている木のそばに雛を置き、少し離れたところから観察していると、ものの数分でハシブトガラの成鳥が餌を持って雛のところへ飛んでいきました!雛を保護した場合すぐに元の場所に戻した方がいいと良く言われますが、そのことを実感しました。これからの季節、公園や道端で野鳥の雛を見かけることが多くなると思われますが、多くの場合近くで親鳥が飛行訓練中の雛を見ているはずです。道路の真ん中にいる場合は草むらや木の枝に移動させてあげることはいいですが、連れて帰らないようにしてくださいね。

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