機械を使った調査

執筆:佐藤潤一

当番日記

①センサーカメラ

野外調査では人間の目視による調査や耳を使ってのヒアリング調査などがありますが、人の力だけで野生動物の行動を把握するには限度があります。
そこで活躍してくれるのが調査用の機械です。
写真はセンサーカメラ。
主に夜行性の動物を記録するために使用しており、赤外線センサーで夜間でも動物をはっきりと撮影することが出来ます。
動体検知により自動でシャッターを切ってくれます。

②写りそうな場所を探す

便利なセンサーカメラですが、ただやみくもに設置すれば良いというわけではありません。
調査対象となる動物が利用しそうな環境を探し出し、正確に写るような角度でカメラを設置しなくてはなりません。
カメラを設置するにも野生動物に関する豊富な知識が必要ということですね。
(※写真はイメージです。)

③ICレコーダー

夜行性鳥類の調査では夜間に人の耳で鳥の鳴き声を聞き取り、行動を把握する調査を行います。
しかし人は夜に眠る生きものなので、夜通し調査を行うのはなかなか厳しいものがあります。
そこで活躍してくれるのがICレコーダーです!
写真のレコーダーは市販のものに少し工夫を施して防水や電池の増量、外部マイクの取り付けを行っています。
こうすることで長期間キレイな音質で鳴き声の録音をすることが可能です。

④音声を可視化する

レコーダーを設置して記録した音声データは膨大になりがちです。この膨大なデータを全て耳で聞いて確認する作業はなかなか骨が折れます。
そこで記録した音声データを音声編集ソフトを使用して可視化!記録した音声データを目で見て素早くチェックしていきます。
こうすることにより耳で聞きながら確認していくよりも格段に労力が少なくなります(それでも大変な作業ではありますが)。
このように野外調査では機械が活躍してくれる場面も多くあります。しかしそれらを効果的に利用するにはやはり野生動物に関する知識は必要不可欠です。
機械を使いこなすためにも、野外調査で必要な知識やスキルをもっと磨いていこうと思います!(※写真は鳴き声の1例。)

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