片目のトビの放鳥
片目のトビ
昨年の夏に、左眼が陥没しているトビが収容されました。
収容時の状態から、これは過去の受傷によるものと推察されました。
また、この個体は右の尺骨(肘と手首の間の太い骨)を骨折していましたが、幸い大きなずれはなく、動かないように固定して骨がつながるのを待つことになりました。
そして、秋頃には、折れていた骨が無事つながったことが確認されました。

放鳥に向けたトレーニング
骨がつながった秋頃から、飼育部屋のとまり木上にいることが多くなったため、より広い部屋へと移動し、飛翔の訓練を開始しました。
個体の状態を見ながら、毎日少しずつ室内を往復させる回数を増やしていきます。
初めは壁にぶつかってしまったり、枝に上手に止まれなかったりすることもありましたが、訓練を重ねていくうちに上手に飛ぶことができるようになっていきました。

放鳥!
そして長いトレーニングを終えた1月の半ば頃、ついに放鳥の日を迎えました。
スタッフの手から勢いよく飛び出し、力強く羽ばたき自然界へと帰っていきました。

スタートダッシュかと思いきや
勢いよく飛び出していったかと思いきや、少し離れた木の上にとまってしまいました。
羽繕いなどをしていましたが、しばらくするとこの木の上から姿を消していました。
片目というハンデを背負ってはしまいましたが、きっとどこかでたくましく暮らしていることでしょう。
