トビの羽標本作製

執筆:佐藤潤一

当番日記

道端で収容されたトビ

こちらの愛くるしい表情のトビですが、11月上旬に道端でたたずみ飛べない様子だったところを保護されました。
右上腕骨を開放骨折しており、残念ながら断翼の処置となりました。
野生復帰が出来なくなってしまったこのトビのように、交通事故などが原因で終生飼育となってしまう個体が数多くいます。
そんな現状を多くの方に知ってもらう為、断翼した羽を標本として残すことに決めました。

羽は洗って乾かす

まず、断翼した翼から風切り羽を抜き取ります。
抜き取った羽は洗剤を入れた水で綺麗に汚れを落とします。
汚れが落ちたらドライヤーでやさしい風を送りながら形を整えます。
断翼した羽が無駄にならないように1枚1枚丁寧に仕上げました。

羽の番号

洗って乾燥させ、綺麗になった羽。
これらを後で順番通りにきれいに並べるため、羽1枚1枚に番号を振りました。
例えばP10は初列風切り羽(Primaries)の10枚目。
S1は次列風切り羽(Secondaries)の1枚目という意味です。

綺麗に並べて完成!

順番通りにきれいに並べて完成です!
多くの方に野生動物の魅力や様々な問題を知ってもらえるように、今後イベントの際に展示したいと思います。
見かけた際は是非じっくりと観察してみてください!

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