チョウゲンボウの収容

執筆:田中瑛理香

当番日記

カラスにいじめられていたチョウゲンボウ

ある日、一般の方からカラスに突かれているトビを保護したとの通報を受けました。
当研究所に連れてきてもらったところ、トビではなく、ハヤブサ目のチョウゲンボウだという事が発覚。
写真からも分かるように、左目が大きく腫れていました。
頭を打って動けない所を、カラスにいじめられていたようです。

ぐったりとした様子

急いで獣医師が処置を行い、インキュベーターの中で安静にしてもらいます。
人が手を近づけると、警戒して頭を上げますが、誰もいなくなると頭を下げてぐったりとしてしまうようです。
とても心配ですが、スタッフ達はチョウゲンボウの気力を信じて祈るばかりでした…。

1週間後…

あれほどぐったりとしていたチョウゲンボウですが、数日かけて元気を取り戻してきました!
野生動物の生きようとする力には、いつも驚かされます。
広い部屋に移動してもらい、飛翔能力を確認することにしました。
インキュベーターの中で動けなかった姿が嘘のように、自分の足で止まり木を掴み、しっかりと立っています。

放鳥に向けて

部屋に移動してから数日、チョウゲンボウの様子を見ていますが、人が入室すると、警戒して室内を飛び回る程に回復しました。
元気な姿を見せてくれるチョウゲンボウに、私たちスタッフも一安心です。
今後は、野生に戻るためのリハビリを行っていく予定です。
次は、外の世界で羽ばたく姿を見せてくれるように願っています。

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