眠いわけではありません
眠いわけではありません
右目の周りから出血し、意識が朦朧(もうろう)としたコミミズクが運ばれてきました。人が触ってもほとんど反応がなく、痛めた方の目は見えていないようです。翼や足の骨折はないものの、頭部を強打しており、脳の損傷が心配されました

ちょっとずつ元気に!
頭部の外傷には酸素供給と保温し過ぎないことが大切です。その他に血液の循環を助ける治療や炎症反応を抑える薬を与えながら数日間、保育器の中で過ごしてもらいました。自分で餌を食べることができるまで回復できたら、少し広い部屋の中でリハビリを開始します。

見つめる先には何が見える?
運ばれてきた時、右側の眼球内がひどく出血していました。外観上は治ったように見えますが…詳細な検査の結果、残念ながら右目は光を感じることがほとんどできないことが解りました。しかしリハビリ生活の中で、複雑に設置した止まり木があるにもかかわらず、しっかりと自分の位置を把握して飛翔できること、動く餌も容易く捕まえることができることが確認され、片目でありながらも野外で自活できると判断しました。

頑張れ!
カラスなど他の鳥に襲われることがないよう、日が沈むのを待って放鳥しました。あっという間に林の中へ飛び去る後姿に、頼もしさを感じつつも、心からのエールとこれからの無事を祈りました。
