希少猛禽類生息地調査
日々の飼育や治療はもちろんのこと、フィールド調査も希少猛禽類を守るために大切な仕事のひとつです。
今回は、希少猛禽類のシマフクロウが生息している可能性がある、広大な森へ調査に行きました。
森の中を歩きながら希少猛禽類が暮らすのに適した環境があるのか、また羽や足跡などの痕跡や繁殖に適した大木などを探していきます。
さっそく、森を歩いているとこのような木を発見しました。

このような木にできた空洞のことを洞(うろ)と呼びます。
何かの原因で木が傷つき、内側に腐朽菌が入ると、表面の生きている部分は再生し腐敗を防御する一方で、中は腐っていきます。その結果、木に洞ができます。
ただの空洞か…ではなく!
実は洞は、昆虫や鳥など多くの生物にとって必要なものなんです!
実際にシマフクロウは大木にある洞で繁殖を行っているため、大木と洞どちらも繁殖するための環境に必要な要素になってきます。
さらに倒れた木が。

ただ倒れて終わりではなく、木が寿命や伐採、台風などの天災によって倒れた木を土台とし、次世代の木が育つプロセスがあります。
これを倒木更新と呼びますが、森ではこのプロセスがあるからこそ世代交代が繰り返され、豊かな森が続いていきます。
そして、ガサゴソと音がし、視線を感じる方向を見てみると…?

エゾシカがこちらの様子をうかがっていました。クマではなく安心しました。
2、3時間ほど歩いて終了です。
今回の調査では、残念ながら希少猛禽類の痕跡は見つかりませんでした。
しかし、実際に森を歩いて調査することで彼らの生息地がどのような環境か、またその生息地が現在どのような状態にあるのかも知ることができます。また、エゾシカ以外にも様々な生物を観察することができました。
猛禽類など生態系ピラミッドの頂点に位置する生物はアンブレラ種とも呼ばれ、広い生息環境や豊富な餌資源を必要としています。
つまり、アンブレラ種が暮らせる豊かな森を守ることは、そこに暮らす多種多様な生物、生態系全体を守ることにもつながります。
今回、調査を通して豊かな森を感じ、様々な生物を観察することができました。
豊かな自然を未来に残していきたいですね。